毎年スイス・ジュネーブで開催されている難民の第三国定住に関する三者会議（Annual Tripartite Consultations on Resettlemen: ATCR）が、2020年は4～6月にかけてオンラインで開催され、NGO StatementとRefugee Statementが発表されました。

本会議は、難民の第三国定住に関して、各国政府やNGO、国連機関の連携強化を図るために1995年に設置されたもので、今年はカナダ政府とカナダ難民評議会（Canadian Council for Refugees: CCR）が共同議長を務めました。日本からは、FRJは日本のNGO代表枠についてNational Focal Pointとして調整にあたり、日本の市民社会からも複数が参加しました。

本会議を経て、NGO StatementとRefugee Statementという二つの宣言がなされました。

NGO Statementでは、2021年を目処に計画されている第三国定住に関する3年戦略の見直しが各国に求められたほか、ATCRや各国の第三国定住の審議において引き続き難民の参加を維持すること、新型コロナウイルスのパンデミック下でも早い段階で第三国定住手続きを再開すること、持続的第三国定住を図るために歓迎的で包摂的な社会を引き続き構築していくこと等が宣言されました。

Refugee Statementでは、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、元々経済的に不安定な難民の脆弱性が高まっている現状に照らし、各国政府、UNHCR、各種NGOに対して、渡航禁止政策等の重要性に理解を示しつつも、その中で難民の第三国定住手続きの機会が引き続き確保されることが求められています。

▶︎  NGO Statementはこちら（英語）

▶︎  Refugee Statementはこちら（英語）