ABOUT REFUGEES 「難民」とは?

“難民”とは?

難民という言葉はあちこちで使われていますが、国連で定めた難民条約に定義があります。それは、「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するために迫害を受ける、または迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた人々」というものです。今日、難民とは、戦争や国家による弾圧だけではなく、武力紛争や深刻な人権侵害を逃れるために母国を逃れ、他国に庇護を求めた人々も指すようになっています。
紛争などによって家を追われても、国内にとどまっているか、国境を越えずに避難生活を送っている人々は、「国内避難民」と呼ばれます。このような人々も、キャンプでの生活を長期にわたって余儀なくされる場合があります。

TO JAPAN 日本へ

難民は日本にも来ています

難民は、キャンプで生活する人だけではありません。飛行機や船を使って自力で脱出する場合もあり、その一部は日本にも来ています。かつてはボートや貨物船に隠れて来ることがありましたが、最近はほとんどが飛行機で来ています。
難民は、なぜ日本に来るのでしょうか?私たちが聞いている限りでは、脱出先を選んできている難民はそれほど多くはありません。たいていの場合、たまたまビザを取れたなど、あまり選択の余地なく日本に来ています。しかし、中には、「日本は民主国家だから」、「平和を大切にしているから」、「安全と聞いたから」などの理由で来た人もいます。

PROCESS OF LAW 法手続き

難民にかかわる法制度

日本は1981年に難民条約に加入しました。その頃、ベトナム戦争によってボートピープルが日本にも来るようになり、受入れ体制が必要になったのです。条約加盟と同時に国内法も整えられ、難民を認定する手続きができました。この手続きは、「出入国管理及び難民認定法」(いわゆる入管法)に規定されています。現在の認定手続きには、一次審査と異議申立手続があります。審査は法務省が行います。また、審査の結果に納得できない場合は、裁判に訴えることができます。

収容

収容されてしまう難民

難民申請中の人が、収容される場合があります。難民申請をしようと思って日本に来たけれども入国が認められなかった場合、難民不認定となり、帰国しなければいけない場合、難民申請をする前に在留期限が来てしまい、超過滞在になってしまった場合などです。そのような人々は入国者収容施設に収容されます。入国者収容施設は、東日本入国管理センター(茨城県)、西日本入国管理センター(大阪府)、大村入国管理センター(長崎県)の3か所があります。

ASSISTANCE TO ASYLUM SEEKERS 難民申請者への支援

申請中の人のための支援

難民申請者に対しては、政府から生活援助金が支給されます。ただし、条件があるので、申請者全員がもらえるわけではありません。
援助金をもらえた場合にも、それだけで生活することはかなり困難です。そのため、なんみんフォーラムの会員団体はさまざまな方法で支援を行っています。各団体は、物資の提供、法律、生活相談、医療支援、シェルターの提供、日本語教室の開催など、難民申請者の孤立と困窮を防止するために活動しています。

LIVING IN JAPAN 日本での暮らし

日本での暮らし

難民は、必ずしも貧しく、無力で、助けを求めているだけの人ではありません。過去の辛い体験から、うつ病やPTSDなどの精神疾患に苦しむ場合もありますが、それぞれが新しい場所で新しい生活を築くための努力をしています。異国の地でゼロベースの生活を始めることは容易なことではありません。特に難民申請者の場合は、約3年といわれる手続きの間、収容や強制送還の恐怖と戦わなければなりません。言葉や文化の壁に悩まされることもありますが、そのような環境にあっても、難民は希望を持って生きて行こうとしています。