アフガニスタン出身者を含む庇護希望者への迅速な保護等を求める声明
2021年8月17日
NPO法人 名古屋難民支援室
RAFIQ(在日難民との共生ネットワーク)
認定NPO法人 難民支援協会
2001年9月11日の米同時多発テロ後、米国政府はアフガニスタンへの攻撃を開始し、その後米軍を駐留し続けていましたが、今年5月1日から駐留米軍が撤収を開始すると、反政府武装勢力・タリバン*1が各地で勢力を拡大、8月16日タリバンは首都カブールの大統領府を掌握、政権奪還を宣言したと報道されています。*2
現状を受け、日本で難民支援を行う私たちのもとには、日本国内外のアフガニスタン人からの相談が相次いでいます。日本で難民申請中の方からの今後に対する不安、大学を卒業しても帰国できないと訴える留学生、アフガニスタンにいる家族を救う方法を模索している日本に暮らすアフガニスタンの方、アフガニスタンにいる方々からも、どうにかして助けてほしい、日本を含む他国に避難させてほしい等の相談が寄せられています。
日本に庇護を求めたアフガニスタン出身の難民は、難民認定や人道配慮により在留資格を得ている方々がいる一方、在留資格が無い状態で難民申請の結果を待っている方々がいることも確認しています。
アフガニスタンの情勢に対し、15日には、日本を含む70ヶ国以上が共同声明を発表し、「アフガニスタンの人々は、尊厳を持って安全に安心して暮らす権利がある。われわれ国際社会はアフガニスタンの人々を支援する用意があります」と表明しています。*3
また、13日にはいち早くカナダ政府が、2万人のアフガニスタン人を難民として受け入れることを発表しました。*4
これまでもタリバンに敵対していると見なされる者に対し、公開処刑、身体切除などの残忍な人権侵害が横行してきました。特に女性に対しては、強制結婚から逃れようとした10代の女性がタリバンによって石打ち刑で殺害されるなどが報告されています*5。タリバンによる深刻な人権侵害のリスクや現下のアフガニスタンの状況を鑑み、日本政府に対し以下を強く求めます。
- アフガニスタン出身の難民申請者について、迅速に難民認定を中心とした庇護を与え、在留資格を付与すること。
- 難民申請中か否かに関わらず、帰国できないことを表明しているアフガニスタン出身者に対し、迅速かつ広範に安定した在留資格を付与すること。
- アフガニスタン国内または周辺国から、日本への出国・庇護を希望する者(日本在留の難民や難民申請者等の家族を含む。)に対して、渡航証明書や査証の発給を迅速かつ柔軟に行い、その避難を実効的に支援すること。
- 20年前の米同時多発テロ後、日本で難民申請中だったアフガニスタン人が、一斉収容されるという事件が起きたが*6、このようなことを決して繰り返さないこと。
現在、深刻な人権侵害が起こっているのはアフガニスタンや、今年2月に軍事クーデターが起きたミャンマー、2011年に内戦が始まったシリアだけでなく、他の国や地域からも、日本に難民として逃れてきた方々がいます。アフガニスタンの方々に限らず、これらの方々にも同様の保護を強く求めます。
以上
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