FRJの活動

2014.04.25

入国者収容所における救命救急体制の確保を

東日本入国管理センター(茨城県牛久市)で、2014年3月29日(土)と30日(日)に、被収容者2名が相次いで死亡しました。昨年12月にも東京入国管理局に収容された外国人がくも膜下出血で死亡しました。いずれも医師不在の時に起きたと報道されています。特定非営利活動法人なんみんフォーラム(FRJ)は、これまで収容代替措置に取り組んで来た経緯から、入国者収容所について以下を求めます。

報道によれば、29日に死亡した被収容者は食事をのどに詰まらせた窒息死で、翌日の別の被収容者は突然死でした。それぞれ30分後には救急車が到着しましたが、搬送先の病院で死亡が確認されました。30日に死亡した被収容者には持病があったと言われています。現場の職員が迅速に通報し、対応に落度はなかったとされていますが、収容されている人々はひどく動揺し、支援団体への電話が殺到しました。FRJは、医療体制について見直す必要性があると考えます。

東日本入国管理センターに常勤の医師が不在であることは以前から指摘されていました。近隣の病院より非常勤の医師が交代で来所し、診察していますが、診療希望者が後を絶たず、実際に診療を受けるまでの待機期間が長くなっています。職員が外部の医療機関に被収容者を連れて行くケースも増えていると聞きます。現在の医療体制は、各診療科の専門医に診てもらえる利点があるものの、すぐに診療を受けられない点について被収容者の不安を訴える声が高まっていました。

入国管理施設に限らず、矯正医療の分野では深刻な医師不足が問題となっており、刑務所では医師の数が定員の8割を切っているとされています(2013年4月1日現在)。常勤医を確保できない理由として、公務員としての給与水準、兼任の禁止、設備等の医療体制などが指摘されており、2014年1月に法務大臣に提出された「矯正施設の医療の在り方に関する報告書」では、待遇の改善や兼務の容認などが提案されました。常勤医を確保できない理由は、入国者収容所もほぼ同様と思われます。

外国人であっても、被収容者に対する医療の提供は保証されなければなりません。想定され得る災害に備えることも重要です。FRJは、以下の改善が可能と考えます。

看護師を24時間体制で配置し、休日夜間も救命救急体制を確保してください。看護師の常駐によって応急処置が可能になり、病人の急激な容体変化にも対応できるようになると思われます。
常勤医師の確保については、矯正医療と同じ速度で改善を図ってください。

また、非常時の連絡が速やかに行われる体制になっていることを今一度確認してください。今回の事故については、透明性向上のため、可能な限り調査結果が公表されることを希望します。何よりも、不必要な収容はやめ、収容代替措置の導入を検討してください。私たちは、不幸な出来事が2度と起きないように、入国者収容施設の医療体制が改善されることを望みます。

全文はこちら:入国者収容所における救命救急体制の確保を

■本件に関するお問い合わせ

NPO法人なんみんフォーラム(FRJ)
〒 165-0034 東京都中野区大和町1‐53‐11
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