2022.03.07
名古屋難民支援室「ウクライナ難民の積極的な受け入れを」申入書提出
FRJ加盟団体の名古屋難民支援室(DAN)が、2022年3月7日に「ウクライナ難民の積極的な受け入れを」申入書を、内閣総理大臣、法務大臣、外務大臣に提出いたしました。
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2022年3月7日
特定非営利活動法人名古屋難民支援室
ウクライナ難民の積極的な受け入れを
今年の2月24日にロシア連邦がウクライナに侵攻して以降、ウクライナでは人道的に危機的な状況が加速しています。ウクライナ軍の必死の抵抗にも関わらず、ロシア軍の侵攻は進むばかりで、国連安全保障理事会の議長国という立場にある国家によって行われる、残虐な違法行為が続いています。
また、反戦活動をロシア連邦内で行った者は違法に逮捕され、その数は6400人を超えています。2020年のアメリカ国務省の報告でも、執行機関による法外、あるいは政治的な目的による拷問が横行し、殺害につながるケースが存在すると指摘されています。
今回のロシアによるウクライナ侵攻による犠牲者は計り知れません。EUの発表によると、400万人にも上る人々がウクライナから逃れようとしているという推計があり、国連の発表によると84万人以上の人々がウクライナを逃れ、近隣の国に受け入れられたと発表されています。彼らはとても寒い冬の寒気にさらされながら、徒歩で国境へ向かったり、国境を越えるための長い列に並んだりしています。また、ウクライナ国内で国内避難民になっている人々は最低でも160万人と推定されています。
このような状況で各国は特別な措置として、ウクライナで発生した難民の受け入れの対応を開始しています。ウクライナと国境を接するポーランド、スロバキア、ハンガリー、ルーマニアに加えて、EUは受け入れを表明しており、関係国もそれに続く可能性がありますが、特に国境隣接国とEU諸国には受け入れの地域的負担が懸念されます。
2014年以降の内紛を抱えている状況を改善するため、日本政府は市場経済化と民主化を中心にODAとして支援を行なっていましたが、ロシアによる侵攻を受け、経済制裁、1億ドル規模の円借款による支援に加えて、1億ドル規模の緊急人道支援を行うと発表しているところ、これらはウクライナの情勢改善に引き続き資する援助と考えます。日本のNGO組織も精力的に周辺国などで緊急支援などの活動を行なっており、日本からの寄付も多く集まっていることから、国内の関心が大きく集まっていることが分かります。
弊団体は、2012年に設立されてから在日難民を支援しています。昨年には2月にミャンマーでのクーデター、8月にアフガニスタンでのタリバンによる政権掌握がありましたが、本国から日本への渡航は愚か、日本に在留しながら難民になった方でさえも難民として認定される件数がとても少ない状況が現在も続いています。
ウクライナの状況に対して政府としてロシアに制裁を行い、ウクライナを支援していること、加えて、このような難民認定の状況の中で首相がウクライナ侵攻で国外に避難する方の日本への受け入れを行う方針に賛同します。国際社会への貢献と日本国内での人権の保障を推し進めるために、迅速な枠組みの策定と実務的な運用の開始が求められています。
弊団体として以下の3点を申し入れます。
<ウクライナ人難民の受け入れと保護>日本に移動しようとするウクライナ侵攻で発生した難民に対して、査証なしのコロナウイルスの水際対策枠外の入国許可である、命のビザの発行を求めます。親族や知人が日本にいる方々や、過去に留学生として在留していた方々等を含め、保護が必要な全ての方を対象に、検討が必要と考えます。40年前、閣議決定でボートピープルを受け入れたことを踏まえ、同等の規模以上の受け入れは可能なはずです。加えて、その方々及び既に日本に在留しており、帰国が困難になったウクライナ人が帰国可能となる日まで、日本で安心して暮らせるよう、適切な在留資格の付与と就労を許可することを求めます。
<制裁と緊急支援の継続>国内避難民を含め、難民の発生と負担を抑えるためには、ロシア連邦への働きかけと避難している方々への支援が必要であるところ、市民の意見を反映した制裁と緊急支援の継続を求めます。
<ロシア人難民の受け入れと難民認定>今回のウクライナ侵攻以前から、ロシア国内では反政府的な言論や活動を積極的に弾圧する姿勢が見受けられます。このような迫害から難民が発生しているところ、ウクライナから逃れる難民のみならず、ロシア出身者のうち迫害を受ける恐れがある者に対しても、迅速に難民として認定することを求めます。
以上
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