FRJの活動

2014.03.31

平成25年における難民認定者数等について

法務省入国管理局は、3月20日に「平成25年における難民認定者数等について」を発表しました。それによると昨年、日本において難民申請を行った人は3,260人で、主な国籍はトルコ、ネパール、ミャンマー、スリランカ、パキスタンなどでした。また、難民認定の審査が行われたのは、1次審査で2,642人、異議申し立ての処理件数は1,135人、その中で難民と認定された人は1次審査で3人、異議申立で3人、合計6人となっています。難民として認定しなかったものの人道配慮による在留を許可された人は151人となり、合計で157人が保護されました。

難民認定は個別の事情に基づいて判断されるので、認定者数や認定率を持って制度そのものを一概に評価することはできません。しかし、申請者数が急激に増加する中で認定者数が年々減少し、6人という極めて低い水準に至ったことを、私たちは重く受け止めています。

難民認定者の数が今回大幅に減少した主な要因としてミャンマー情勢の変化が挙げられ、これまで多数を占めていたミャンマー難民の保護が、民主化の進展により必要性が減少したと言われています。(法務省発表による保護数全体に占めるミャンマー難民の割合は、難民認定者数が最も多かった平成20年の92%から平成25年の52%まで減少しました。)一方、シリアからの難民申請者は、2013年は一人も難民として認められず、人道配慮による在留許可しか付与されませんでした。ミャンマー以外の難民はなぜ認められにくいのか、シリアからの申請者はなぜ難民ではなかったのかなどについて、政府発表では明らかにはされていません。今後さらに申請者の増加が予想されることから、透明性向上のためにも、申請の動向や認定の基準などについてより詳しい情報が公開されることを求めます。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の統計によると、アジアは世界で最も多く難民が発生している地域で、隣国の韓国でも申請者の数は増大しています。難民保護の国際的・地域的な取り組みが求められる中で、日本への期待も高まっているといえるでしょう。日本は難民としてどのような人を保護するのか、日本政府としての難民保護の基本方針をより明確にしなければならないと考えます。

日本では現在、「第6次出入国管理政策懇談会」のもとに「難民認定制度に関わる専門部会」が立ち上げられ、本格的な議論が展開されようとしています。難民保護制度の公正性・効率性を見直し、透明性を確保することが早急に求められます。私たちは、日本が加盟する難民条約をはじめとする国際人権条約に則り、国際協調の精神に基づいて適切に難民を保護することを強く願っています。

全文はこちら:平成25年における難民認定者数等について

■本件に関するお問い合わせ

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2025.01.10

2/12・2/14 UNHCR難民高等教育プログラム(RHEP)説明会2025/Feb. 12&14 RHEP Online Orientation 2025

UNHCR難民高等教育プログラム(RHEP)は、社会経済的な理由で、日本の大学に通うことが困難な人のための奨学金制度です。2026年…

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その他

2025.01.09

難民研究フォーラム:ヒラリー・エヴァンス・キャメロン「難民認定審査と記憶の限界」全訳掲載

難民認定審査において、申請者の供述の信憑性評価は極めて重要な要素です。日本の実務では、供述の変遷や事実関係の不一致などが…

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その他

2025.01.09

難民研究フォーラム「難民を対象とした調査・研究における倫理的配慮に関する提案―難民の個人情報と難民を取り巻く状況への理解のために―」

難民を対象とする調査・研究を実施するにあたって、必要な倫理的配慮に関する情報を提供する目的で、難民研究フォーラムによる「…

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イベント/セミナー

2025.01.09

1/25(土)公開シンポジウム「難民研究の第一歩~調査における倫理的配慮とは?~ 」

近年、国内外の難民問題への関心は高まっており、学部生や大学院生の中でも、難民に関する研究に取り組む人が増えています。一方…

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イベント/セミナー

2025.01.08

1/17(金)講演会「名嶋聰郎弁護士30年余の軌跡―東海地域での難民・外国人の弁護活動を振り返り、今後を考える―」

長年弁護士として難民・外国人事件に尽力されてきた名嶋聰郎弁護士の講演会が開催されます。 講師の名嶋聰郎(なじま…

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2024.12.27

冬季休暇のお知らせ

なんみんフォーラム事務局は、2024年12月28日~1月5日まで冬期休暇に入ります。 いただいたお問い合わせへは、休暇後に順次お…

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加盟団体の活動

2024.11.17

「渡邉利三国際奨学金」2025年度奨学生募集開始

パスウェイズ・ジャパンは、渡邉利三国際奨学金の2025年度奨学生の募集を開始しました。 ▼渡邉利三国際奨学金2025年度…

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イベント/セミナー

2024.11.17

11/30(土)全難連報告会&年次総会2024

改定入管法の「補完的保護対象者認定制度」等に係る部分が2023年12月に施行され、送還停止効の例外規定や監理措置制度、入管収容…

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イベント/セミナー

2024.11.17

11/28(木)「グローバル インパクト ソーシング コンソーシアム(GISC)」発足シンポジウム〜インパクト ソーシングを活用したDX人材活躍の最前線

本シンポジウムは、「グローバル インパクト ソーシング コンソーシアム(GISC)」の発足に際し開催される、公開イベントです。G…

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加盟団体の活動

2024.07.30

パスウェイズ・ジャパン シリア、アフガニスタン、ウクライナ学生受け入れのための日本語学校パスウェイズ 2025年度募集概要

Post title: "Pathways Japan Japanese Language School Pathways Program FY2025 application outline is published." English …

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